うつ病 イライラの原因と抑える方法 セロトニンを増やすことがなぜ重要か

うつ病 イライラの原因と抑える方法 セロトニンを増やすことがなぜ重要か

セロトニンとうつ病の関係については、何度も議論されてきた。
2007年にはそれまで信じられていたセロトニンの分泌量の低下がうつ病と関係する可能性が低いのではないかとする研究発表もなされた。[1]

そして、先日発表された研究ではセロトニンがうつ病をコントロールする機能をもつのではないか。
というセロトニンの新たな治療的な機能の存在に関するものでした。

 

うつ病の原因とは?

うつ病という言葉を聞いたことはあると思います。
そして、その原因はストレスだというイメージを多くの方が持たれています。

ストレス、心のダメージは誰しもが受けていますが、それがどうしてうつ病という病気になるのか?

うつ病と3つの神経伝達物質

私たちの体はたくさんの細胞の集まりでできています。
そして、私たちが「心」と言っているものは脳の細胞です。
それぞれの脳細胞が感情や運動を調節しています。

イメージとしては、スイッチやボリュームのようになっていて
例えばうれしい気持ちの脳細胞がスイッチオンになると、私たちは「うれしい!」と感じますし、光の量を調節する脳細胞は眩しい光を感じるとボリュームを下げるようにひとみを小さくします。

それぞれの脳細胞に「スイッチやボリュームを調節しなさい」と命令を中継して送ってくれる役割をするものが神経伝達物質です。

送り主から届け先に荷物を運んでくれる輸送業者が神経伝達物質にあたります。

神経伝達物質にはそれぞれに得意分野があり、うつ病と関係する命令を伝えるものが
・セロトニン
・ノルアドレナリン
・ドーパミン
この3つです。

これら3つを合わせてモノアミンと言い、モノアミンの量が減ることによって脳細胞がすべき役割が伝えられなくなり、うつ病になるとされています。

神経伝達物質の量は常に一定というわけではなく、多くなったり少なくなったりします。
例えば輸送業者のドライバーの数が減ると輸送が上手くいかずにトラブルが起こることと同じく、神経伝達物質が少なくなってしまうと命令が上手く伝わらずに心や体に異常が現れます。

また、ストレスにより脳細胞自体にも異常が現れ、送られた命令を正しく受け取ることができなくなります。

セロトニンがうつ病に関係する理由

3つの神経伝達物質があるのに、なぜセロトニンが特に大切なのか?
それは、セロトニンが得意とする分野に関係します。

ノルアドレナリンやドーパミンは「やる気」や「楽しい」と思う気持ちのスイッチを切り替える命令を送ることが得意です。
何をするにもやる気がでないという状況と関連するのでもちろん重要です。

セロトニンは「心を安定させる」ための命令を送ることが得意です。
ノルアドレナリンやドーパミンのおかげでやる気があったり、怒ったりできても心の歯止めが効かないと大変なことになります。
その意味でセロトニンは心を安定させ、正しい思考をすることができるので特に重要なのです。

セロトニンが不足するとどうなる?

セロトニンが不足するとうつ病はもちろん、ストレス障害や睡眠障害を引き起こす原因にもなります。

セロトニンは「心を安定させる」と言いました。心だけでなく体のコントロールも担います。
例えば消化、排便、体温調節の命令も送ってくれています。

うつ病にとって重要なセロトニンを増やすには?

神経伝達物質の量は自然に増えたり減ったりするわけではありません。
私たちの行動で増やすことができます。
その方法を紹介します。

①太陽を浴びる

太陽の光を浴びると、光が目→視神経→脳に伝わります。
脳は太陽の光を受けることで、セロトニンを増やす指示を出します。
1日に20分〜30分程度太陽の光を浴びることでセロトニンを増やすことが活発になります。

夜勤で働く人のように昼夜逆転した生活をしていると、体に異常が出やすいです。
意図的に太陽の光を浴びる時間を確保してください。

また、せっかく太陽の光を浴びるなら朝日が効果的です。
朝日は朝の目覚めのスイッチになります。
それによって、体内の生活リズムを整える働きもあり、一石二鳥です。

②リズム運動をする

リズム運動とは、一定のリズムで同じ動作を繰り返す運動のことです。
シンプルな同じ動作を繰り返すことでも、セロトニンを増やすためには大切なのです。

例えば「スクワット」や「ジョギング」、「フラダンス」などもあります。
なかなかこれらを日常に意識して取り入れるのは難しいでしょう。

リズム「運動」と言っていますが、
「ウォーキング」や「よく噛んで食べる」ことや「呼吸」もリズム運動にあたります。
この辺りなら、毎日の生活の中で意識しやすいでしょう。

ウォーキングならばエレベーターやエスカレーターを使うところを階段を使って歩く量を増やす、人にコピーなどを頼んでしまうところを自分でコピーしに行く・・・などから始めてみましょう。

リズム運動も1日に20分〜30分程度が最も効果的にセロトニンを増やすことができます。

③セロトニンを増やすための材料を食べる

セロトニンを増やすためには材料が不可欠です。

トリプトファン
セロトニンの原材料となる重要なものです。
必須アミノ酸といわれるものです。
これは人間が自ら体の中で作り出すことができません
魚、肉、大豆、卵、ナッツ、バナナなどに多く含まれます。

ビタミンB
トリプトファンからセロトニンを作ることをサポートしてくれます。
魚(特にサンマ・イワシ)、肉、レバー、バナナなどに多く含まれます。

炭水化物
セロトニンは脳で増やすことができます。
トリプトファンが脳に取り込まれるのを助ける働きをします。
また、炭水化物は脳の唯一のエネルギー源です。
糖質制限ダイエットも流行っていますが、必要な量すら摂取しないと痩せられても問題が起きます。
穀類(米・小麦)、いも類、果物、砂糖などに多く含まれます。

セロトニンを増やすポイントは光・運動・食事

セロトニンを増やすためのポイントは太陽の光を浴びること。

同じリズムの運動を繰り返すこと。

肉・魚・米やパンを食べること

この3点です。

 

セロトニンがうつ病に関係する新たな発見

さて、ここで話は終わりません。

セロトニンは神経伝達物質で、うつ病と関係する脳細胞のスイッチを切り替える命令を伝える役割をしているので大切だというだけではないのです。

新たに発表された研究では、
命令を伝える役割だけでなく、脳細胞の核に入り込みセロトニンが直接スイッチを切り替えることができるというものです。[2]

輸送業者の話でいえば、
今までは届出先が不在の場合は荷物を送り届けられずに持ち帰るしかありませんでした。
しかしこれが「届出先が不在でも家のカギを勝手に開けてサインをして送り届けることができる」ということです。
想像すると恐ろしいですが、脳細胞のことですので・・・。

なぜこれがうつ病と関係するのか?

脳細胞はさまざまな役割を担っています。
うつ病になるとストレスにより、脳細胞自体にも異常が出てきます。
つまり、いくらセロトニンが増えても、正しく受け取られなければ効果がない。

このように思われていましたが、セロトニンは正しく受け取れない脳細胞に入り込み、スイッチを切り替えることができるのです。

うつ病だけでないセロトニンの可能性

脳細胞に異常が出るのはうつ病だけではありません。
薬物乱用や気分障害なども脳細胞が正しくスイッチを切り替えられないことが原因です。

 

まとめ:セロトニンとうつ病の関係

まだこの研究は完成していません。
しかし、セロトニンがうつ病と関係がないと言い切るのはまだ早いのではないでしょうか。

セロトニンを増やす方法を紹介しましたが、どれも体に良さそうなことです。
セロトニンがうつ病と関係がないからといって,昼夜逆転の生活や運動をしなかったり、肉や魚や米を食べなかったりすることは決して助けにはなりません。

もし、自分自身がうつ病であったり、周りにうつ病やうつ病傾向の人がいるならば、すぐには良くはならないけれど、諦めずに生活改善を続けて下さい

 

参考URL
[1]Big New Study Challenges A Genetic Link to Stress, Depression
[2]Mood-Altering Messenger Goes Nuclear