健康で長生きする食生活の正しい知識と間違った教え

健康で長生きする食生活の正しい知識と間違った教え

日本では、成人の3人に1人は肥満。
肥満は糖尿病、腎臓病、心臓病やその他さまざまな病気のリスクを高める。

アメリカの場合は成人の3人に2人が肥満であり、大きな社会問題となっている。
しかしそれだけ身近な問題であり、研究も盛んで日々新たな発見がなされている。

そうした研究成果は遅れて日本に入ってきます。

科学では少し前まで信じられていたことが、一つの研究結果で覆されることは珍しくありません

飽和脂肪酸は身体に悪いから不飽和脂肪酸などに置き換えなければならない

いまだに日本では多くの栄養学の専門家といわれる人たちが声高に主張しています。
50年近く前の考えを深く追求せず、疑おうともせずに広め続けている。

一度主張したことを自ら否定することは信用や権威を損なう可能性があります。
しかし、あなたの健康に関わることです。

間違った真実ではなく、事実を知ってあなた自身で考えていきましょう

コレステロール値を下げても健康にはなれない

コレステロールは脂肪の一種です。
「善玉コレステロール」、「悪玉コレステロール」、「コレステロール値を下げる〜」などというフレーズを聞いたことがありますよね。

脂肪の一種といわれると身体に悪い気がしますが、全てが悪い訳ではありません。
その量が重要です。
多過ぎれば心臓病や脳卒中につながるかもしれない、ということです。

コレステロールの役割

コレステロールは血管を流れている
コレステロールを必要としている細胞のところまで運ばれていきます。
ホルモンを作ったり脂肪の多い食品を消化したりするためにも使われる。

うつ病に効果のあるセロトニンというホルモンにとっても、コレステロールは重要な役割を担う。
実際にうつ病の人が血液の中のコレステロール値が低い傾向があるという報告もあるのだ。[1]

コレステロールが多すぎると起こるリスク

もちろん、血液の中のコレステロールが多すぎると問題だ。
血栓を作り出し炎症を引き起こしたり、血栓ができることで血管が破裂してしまったりする可能性がある。

血栓は血流を妨げる。
血栓が心臓の動脈でできれば心臓発作を引き起こす可能性があり、あるいは脳の動脈で血栓ができれば脳卒中を引き起こす可能性があります。

善玉や悪玉という言葉に惑わされない

善玉コレステロールと悪玉コレステロールって何?

善玉コレステロールのHDLコレステロール。
そして、悪玉コレステロールのLDLコレステロールがある。

血液の中のコレステロールはそのままの状態で漂っているのではなく、「リポタンパク質」といわれる物質に乗って血液の中を漂う。
リポタンパク質にはいくつか種類があり、その中でも有名なのが「高密度リポタンパク質(HDL・High Density LipoProtein)」と「低密度リポタンパク質(LDL・Low Density LipoProtein)」。

高密度のリポタンパク質にコレステロールが乗せられていれば、善玉コレステロールと呼ばれ、
低密度のリポタンパク質にコレステロールが乗せられていれば、悪玉コレステロールと呼ばれます。

善玉と悪玉の本当の違いは?

善玉(HDL)コレステロールは動脈硬化を防いでくれる。
なので、科学者たちも

善玉(HDL)コレステロール値が高ければ心臓病や脳卒中のリスクが下がる

と考えていました。

それに対して悪玉(LDL)コレステロールは血栓の原因にもなり、血液の中の悪玉(LDL)コレステロール値が上がると心臓病や脳卒中のリスクが上がる。
こうした病気になってしまう人は食べ過ぎや運動不足といった不健康な生活を送っていることが多いことから、悪玉(LDL)コレステロールは悪とみなされてきた。

善玉(HDL)コレステロールや悪玉(LDL)コレステロールが自ら「健康にしよう」とか「不健康にしよう」と作為をもって行動しているわけではありません。

善玉(HDL)コレステロールはコレステロールを他の臓器から肝臓に運ぶ
肝臓で有害な物質は変換されたり、身体から出て行ったりするので、結果的に動脈硬化を防ぐ役割を担っていただけです。

悪玉(LDL)コレステロールはコレステロールを肝臓から他の臓器に運びます

これらは単に役割が逆なだけである。

善玉・悪玉コレステロールの可能性

太り過ぎや肉やバターなどの動物性の脂肪を食べすぎることは悪玉(LDL)コレステロール値の上昇につながることは事実。

しかし、両親から受け継いだ遺伝子、その他の健康状態や持病、飲んでいる薬などの影響が合わさって悪玉(LDL)コレステロール値が上昇する。

そして、善玉(HDL)コレステロールについてもまだ未開の部分がある。
臨床実験では、善玉(コレステロール)値を薬によって上昇させても心臓発作のリスクを減らすこととの因果関係を証明することができていない。

低脂肪食品では健康になれない

健康に良い脂肪と悪い脂肪

脂肪は人間にとってエネルギーにもなる不可欠な存在。

しかし、1970年代から栄養学の専門家たちは低脂肪の食品を食べることを強く勧めてきた。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸というものがある。
飽和脂肪酸は悪玉(LDL)コレステロールを増やす原因となり、心臓病のリスクも上がる。
そう信じられていたため、飽和脂肪酸を含む食品を不飽和脂肪酸を多く含む食品に置き換えるよう主張された。

飽和脂肪酸が多く含まれる食品には肉やバターがある。
しかし、これらは不飽和脂肪酸も含んでいる。
不飽和脂肪酸を多く含む食品もまた、飽和脂肪酸も同時に含んでいる。

このややこしさもあったため、人々は全ての脂肪を含む食品が健康に悪いと理解し、砂糖やパン・ご飯などの炭水化物を脂肪の代わりに置き換えることにした。

今でも多くの人があらゆる種類の脂肪が全て健康に悪く、心臓発作や体重の増加の原因だと誤解している

低脂肪食品に置き換えてもリスクは減らない

飽和脂肪酸は食品に含まれていたものだけというわけではない。
パンやお米といった炭水化物や砂糖を分解するときに飽和脂肪酸が生成される。

飽和脂肪が危険と思って炭水化物に置き換えても心臓病のリスクが減らない

健康に良い脂肪とは?

飽和脂肪酸は健康に悪く、不飽和脂肪酸が健康に良いとされてきた。

植物由来のものが不飽和脂肪酸を多く含む。
キャノーラ油、ピーナッツ油、べに花油、大豆油、オリーブオイルなどの油。
他にもナッツ、種子、アボカドなどが挙げられる。
鮭・ニシン・イワシなどの脂肪の多い魚も不飽和脂肪酸が豊富。

不飽和脂肪酸は悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる薬と同じくらい心臓病のリスクを減らすことができる。
ダイエットのために全ての脂肪を避ける必要はない。

臨床実験では、高脂肪食と低脂肪食を食べた人の体重の減少率に有意な差はなく、どちらのグループも減量の継続に成功した。

低脂肪食は高脂肪食や高タンパク質食と同じように、体重の増減に効果があります。
大切なことは、どの食品が余分なカロリーになっているかを特定できるよう理解し管理することだ。

不飽和脂肪酸ならば健康に良い?

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、心臓病のリスクを上げることがわかっている。
飽和脂肪酸ではなく、不飽和脂肪酸をとればオッケーというわけではないのだ。

マーガリンや加工食品にはトランス脂肪酸が豊富に含まれている。
肉やバターなどの動物性の食品にも少量ながらトランス脂肪酸が含まれる。

結局何が健康に良いのか?

栄養学の専門家が長きにわたり主張し続けてくれているおかげで、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は健康に悪く、いわゆる低脂肪のものが健康に良いという認識が徹底された。

しかし、飽和脂肪酸は心臓病の原因にならないという研究結果が発表されたり、ヨーグルトなどの全脂肪乳製品が心臓疾患に良い影響を与える可能性が示唆されている。
(臨床実験では、砂糖の代わりに飽和乳脂肪を食べた被験者は体脂肪の原因とされる中性脂肪が血液の中に少なかった。また、高脂肪の食品が血圧を低下させる効果もあった。)

まとめ:自分にあった食品や健康法を探すこと

たとえ健康に良いといわれる食品であっても、この先もずっとそれが正しいとは限らない。
また、他の人には良い効果が現れても、あなたには悪く働く可能性は十分にあり得る。

人間の体にはそれぞれ異なる種類や量の脂肪があり、それらの違いによって全く異なる反応を示すことになる。

明確になぜ個人差が現れるのか?は解明されていないが、「腸に住む食物脂肪と反応する細菌が原因ではないか」と考えられています。

腸内細菌も人によって異なり、それぞれの腸内細菌が脂肪からさまざまな化合物を生成している。そして、この化合物も異なる影響を与えているため、同じ食品を食べていたとしても結果が異なる。

良いと言われているものであっても、本当に自分にも効果があるのか?は注意深く見極める必要があります。

情報の鮮度に気をつける

飽和脂肪酸や悪玉(LDL)コレステロールはまさによい例です。

かつてそれらが心臓病などの原因ではないか?と推察されていたからといって、その考え方がいつまでも正しいという理由にはなりません。

面倒な話ですが、極端に健康に良いとされているものや、極端に健康に悪いとされているものが現れた時には必ず何かの思惑も生まれています。

誰しも健康で長生きをしたいものです。
そこに漬け込んで商売をしようとする人間がいます。
彼らは本当のところではあなたの健康には興味がありません。

自分自身で情報を仕入れて、よく考え行動するほかありません。

 

参考URL
THE IMPLICATIONS OF LOW CHOLESTEROL IN DEPRESSION AND SUICIDE
Cholesterol Quandaries
Saturated fat does not clog the arteries: coronary heart disease is a chronic inflammatory condition, the risk of which can be effectively reduced from healthy lifestyle interventions
Control Your Cholesterol
The Skinny on Fat